自宅兼事務所で自営業を営む親世帯と息子夫婦、及びその弟さんのための住宅。近年よく耳にするようになった二・五世帯住
宅の計画である。敷地は世田谷区の住宅街の路地を入った先にあり、建物は唯一開けている北側のマンションの庭木を借景し
つつ、「離して、繋いで、光を落とす」という設計行為によって、二世帯住宅を示唆するかのような佇まいが生まれることに
なった。切妻屋根のボリュームにはLDKや寝室といった居住スペースや事務所スペースが、ヴォールトの屋根のボリューム
には階段やホームエレベーター、バスやトイレなどの水廻りが納まり、階段廻りや水廻りを居住スペースから分離することで
そこで発生する様々な振動音や生活音を居住スペースに伝えにくくすることを意図している。敷地の周囲は隣家が込み入って
いることから、「離す」ことで生じた中庭がプライバシーを保ちつつ採光・換気において大きな役割を果たすことであろう。
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